Universal Audio 初期のリイシュープリアンプを試す
2023年の3月頃、ビルパトナム時代のアメリカ(主に西海岸)の音に触れたいと、Universal Audio社の初期に発売されていた50年代後期から60年代の頃のプリアンプリイシューものを2機種入手しておりましたが、入手した時点で満足しちゃってそのまんまになっていたのを1年以上経ってやっと重い腰を上げました。あくまでリイシューでオリジナルビンテージでないですが、Univeral Audioの初期のプリはかなり力を入れてビンテージの再現を試みてると思ってます。(ちなみに昨今のDAWシステムでは現行製品のプリアンプの方が使い易いと思います。)
M610の方は出音が気持ちボソボソいっていたので、真空管12AX7をRCAのピンテージ管に変えてみると見事に復活!まずはビルパトナム時代の西海岸のスタジオ写真でよく見かけるSONY C-37Aを繋げて聞いてみました。
Neumann & Neve 系とは目指す方向が違う感じです。クリアでカラッとしてかなり良いです。60年代後半に生まれたAPIの音の方向性にも通じます。個人的にこの音はやっぱり好きです。
U47、C-37A、RCA77DX、フィルスペクターやビーチボーイズのスタジオ写真でよく見かけるマイクは持ってますので、続いてU47でも試してみます。
U47で聞いてみるとSONY C-37Aの時と同じく音は明るいです。NeveでU47を使うと中低域のふくよかさに耳がいくことも多いですが、Universal Audio初期のプリだと高域もすっと伸びてくる印象です。やっぱりNeumann & Neveとは方向性が違いますね。これを聞くとナットキングコールやフランクシナトラのレコードで聞けるボーカルの抜け感もより納得できます。
そしてU47の出音をC-37Aの録音データと聞き比べるとC-37Aもあらためて良いと感じました。芯がありクリアーで、個人的にはU47にも全然負けてないと思います。ここ数年C-37Aのコピーモデルが続々と登場し、マイクモデリングに必ず入ってくるのも十分納得です。
写真のプリアンプ、2Uの方は今でも販売されている610プリの初期型モデルですが、上の1Uの方は60年代のUniversal Audio 1108プリを再現したUniversal Audio 2108です。当時あまり売れなかったので結構レアな製品です。今でもラインナップとして残っている610の方が万能だと思いますが、2108の少し硬めに高域の伸びる感じは結構好きです。ただ知名度的にも今後使う場面がどれほどあるかはなかなか難しいところなので、2108をより活かせるマイクとの組み合わせを見つけたいところです。WEB上で2108の情報を探すとダイナミックマイクとの組み合わせが良いと見かけるので、そっち方向も探ってみたいです。
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