Tonelux JC37を試しました

投稿者: Katsuro Uno 投稿日:

今日はTonelux JC37の試聴です。まずはうちのスタジオで所有するSONY C37Aと並べてみました。レプリカものでここまでそっくりにデザイン踏襲してるのも逆に珍しい気がします。オリジナルへの愛情を感じます。

想像ですが多分ケースもオリジナルを踏襲してる気がします。本当にC37Aが好きなんでしょうね。

早速試しましたがTonelux JC37無茶いいです!!レプリカでここまでオリジナルを踏襲してるマイク初めて聞きました。やっぱり愛情が全然違う感じがします。レプリカって、状態の悪いオリジナル買うよりはレプリカの方が、とかよく言われて、つまりは状態の良いオリジナルがあったらそちらの方がいいってニュアンスが常に後ろに隠れてるのですが、JC37で全く不満ありません。これにはビックリです。

Tonelux JC37、本当に良かったです。今日はヘッドホンの返りが気持ち良くて歌いまくってしまいました。笑 音は状態が最高のC37Aという感じです。SONY C37Aの音が好きな方には絶対にオススメです!レプリカもので初めてオリジナルを手放しても良いと思いました。

あくまで私個人の印象ですが、私にとってSONY C37Aは、耳で聞いてる音にすごく近い音が録れるマイクです。ことボーカルにおいてはとてもナチュラルなニュアンスが録れるマイクだと思ってます。海外のフォーラムで、リボンマイクのように録れるチューブコンデンサーマイクと評してる方がいらっしゃいましたが、正に言い得てるなと思いました。当時のSONYがNeumannやAKGに負けじと威信をかけて開発したのだと思います。

ただSONY C37Aは出力ゲインが低いですしSNもあまり良くはありません。正直60年前のマイク感は否めないです。Tonelux JC37は流石にSNは問題ありませんでしたが、出力ゲインはC37Aとほぼ同じでした。Neveでゲインを45とか50くらいまで持っていく必要があります。レプリカを作るとしても、出力ゲインは今時のチューブマイク並みまで上げても良かったのでは?とも思いましたが、多分あえてオリジナルを踏襲したのだろうと思い直しました。Neveのゲインが30と50ではニュアンスが結構変わりますから、そこまでC37Aのニュアンスを出そうとしたのではないかと思ってます。C37Aを愛するが故の仕様なのではないかと思いました。

Neumannなんかに比べると少しレンジが狭く感じるかもしれませんし、音像が小さく感じるかもしれませんが、この中域のナチュラルさは本当に癖になります。JC37でボーカルを録音し、maag EQ4のプラグインをかけAIRとSUBをちょこっと上げてみましたが、スタジオ定番のどのチューブマイクとも違うとても魅力的な音になりました。

ただ、自然なニュアンスが録れるマイクはある意味押し出し感などの演出がないマイクとも言えますので、JC37を聞いてもピンと来ない方が多いかもしれません。昨今のレコーディングには合わない場面も多々あると思います。私もどんな場面でより生きてくるか、いろいろ試してみたいです。うちのスタジオでは無理ですが、アンビの良いスタジオで弦や管、ドラムの録り音を聞いてるみたいです。やっぱりステレオペアで欲しいかも。。笑


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